欅しぐれ

山本一力さんの小説は、どれも独特の説得力があります。
最近読んだのは「欅しぐれ」(なんか”はまぞう”が使い難くなったので、気になった方は自分で検索してね)。文庫版の解説を読んで、なーるほど、とはたと膝を打った次第なのです。
山本一力は、この「商」と「工」の世界を大事にしている。〜
そうか、ここんところが山本ワールドなわけね。特に、商の世界を丹念に描きます。大店になればなるほど与信調査に気を配ります。。。こんな時代娯楽小説あったでしょうか?町人同士の誠意を、現代的リアリティーをもって(本当にそうだったのでしょうけれど)、(かくあれかし、との思いを込めて?)描いたものなんて希有じゃないですか?そのリアリティーに立脚した人情、信用、愛憎だからこそ、「商」「工」に属する私としてはググッとくるのでしょうねえ。
歳をとると涙もろくなるので、電車での読書は気をつけなくては、、。