永遠の0

新横浜ー京都間(正確には枚方公園間)の片道では、読了できなかった。
ストーリーに身を委ね、勢いに任せて読みきれなかった。
鼻をすすり、涙を拭い、気を落ち着かせて、次のチャプターに向かわなくてはいけなかったから。


「失敗の本質」日本軍の組織的研究、を読んでいたので、さらに物語に入っていけたのかもしれない。
日本人が作ってしまう組織のありようと、ただ個人としてあり続けることを願うこと。
作者はその対決に際して、主人公に超人的な精神力と技能を与えたのだ。
そうでなければ、個人がつぶされるのが通例だからだな。


俺はどこまでできるだろう。
超絶技巧は日頃の努力なしには維持できないのは当然のことだけれど、超絶技巧とは元々縁なき衆生の俺の努力は、どこを向いているんだろう。
自らを信じ、自ら紡いだストーリーを信じ、100%の努力を続けるための心の持久力、糞力。


それでも歩き続けよう。
与えられた時間を精一杯。
強い思いとともに。