数値化のマジック

サドルの先端から何処其所までの距離が何々の何%が標準、などという記述を見るようになりました。
でも、、何か違和感を感じませんか、、?
、、、サドルって、、どれも同じ寸法なの?


例1:Turbo Matic Tianium


例2:Flite Titanium


座骨の幅って微妙に人それぞれで、あの三角形のうちで微妙に座る位置を変えて、それにフィットさせているのでしょ?
だから人それぞれ好みのブランドがあって、銘柄があるのでしょ?
で、座る位置も、ちょっとづつ違うんですよね。


数値化するなら、本当に厳密に数値化しましょうよ。
数値化は便利だけれど、数字の取扱いにはくれぐれも注意しなければいけません。
データそのものよりも、どうしてそのデータなのか、どうやってそのデータを得たのか、ということが重要なのです。
そして、そののちに、そのデータをどう読むか、ということがらがくるわけです。


短絡的に、単純化して、端的に表現すると、あたかもそれが真実であるように映るのでしょうか?
現実には、非常に多くの変数が、お互いに(全体の骨格や個々の骨の長さ、関節の付きかたや筋肉の質/量、はたまた使い方のスキルに至るまで)従属しながらからみ合っているのです。
複雑なものを複雑なまま受け入れる度量無しに、そしてそれを何とか物理原理に基づいて解読しようとする地道な試みの積み重ね無しに、より良いものに近付くことはできないのではないかなあ。


数字のマジックや力強い単純化のマジック。
心地よいマジックには気を付けた方がよいですよ。